心電図検査法について
心電図波形解説

沖重 薫

横浜市立みなと赤十字病院
心臓病センター長
<専門>
臨床不整脈、心臓性突然死、
特発性心筋症、
カテーテル・アブレーション手術

横浜市立みなと赤十字病院

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 私たちは、体に負担のない心電図検査法により、簡単に心臓の活動状況を知ることができます。手足や胸に「電極」と呼ばれる機器を貼ることにより、心臓の微小な電気的興奮を捉え、それをコンピュータを用いて増幅して目に見える形にし、表示・記録するのが心電図検査法です。心臓内部での興奮の伝播現象などに関して、詳細な情報を提供してくれます。

心電図は、正式には「12誘導心電図」と呼ばれます。前胸部に6か所、四肢に3か所に電極を貼り付け、その組み合わせにより、心臓全体を12方向から記録し、立体的に心臓の興奮現象を捉えます。


  P波:心房の中で興奮の伝播にかかる時間

 洞結節から命令(興奮)が発生して心房に電気が流れると、心房が収縮し、心電図上で波形が現れます。心房に起こる諸々の病的な状況によってはこの波形が変化し、心電図上に反映されます。
 P波とQRS波の間には短い平坦な部分があります。心房が収縮した後に、少し間合いがあり、心室が収縮するということで、心房から心室への血液の移動が円滑に行なえております。

  QRS波:心室内の興奮の伝播にかかる時間

 房室結節からヒス束を通り心室に電気が流れると、心室が収縮し、心電図上で鋭い波形を形成します。

  T波:心室の興奮準備期間

 心臓は異常に速い興奮が起こったときに、それに完全に対応すると血液の拍出が急激に低下してショック状態となります。それを防ぐため、心臓は必ずある一時間、休息する性質を持っています。これを「不応期」といいます。
 不応期にはいかなる命令が来ても絶対に応じない「絶対不応期」と、かなり強い命令が来て初めて反応する「相対不応期」があり、T波の頂上付近は絶対不応期から相対不応期へ移る時期です。
 一定時間休息の時間が存在している事で、心室の拡張時間が確保され、送り出す血液の補充がなされます。


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是非ご一読ください。

突然死の話
あなたの心臓に潜む危機
(中公新書)
沖重 薫著


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